マントラと現代科学

パート2

なぜマントラはDNAを操作できるのか

しばらく前に、現代の科学者たちはプロテイン(蛋白質)を作るDNAのわずか2%だけが有益である、という見解を述べました。残りはすべて「ジャンク(がらくたの)DNA」だと言ったのです。要するに、彼らの実験では、もしプロテインをコードしていないのならジャンクDNAは何をしているのか、わからなかったのです。

しかし、最近になって、目的のないものは自然界に存在しないと信じるあるロシアの研究者チームが、言語学者や遺伝学者たちと協力して、この「ジャンクDNA」を調べることに挑戦しました。彼らの研究結果と発見は、実に革命的なものでした。

彼らによると、私たちのDNAは、身体の構造に責任があるだけでなく、データ保存庫の機能を果たしており、コミュニケーション〔情報・伝達〕においても役立っているというのです。

ロシアの言語学者たちは、遺伝子の情報、特に「ジャンクDNA」の遺伝子情報が、人間の言語と同じルールに従っていることを発見しました。つまり、私たちがこのように話しているのは、DNAがそのような構造になっているからなのです。

ロシアの生物物理学者であり分子生物学者であるピョートル・ガリャジェヴ博士と彼の研究チームも、DNAの振動パターンを調査して、もし周波数(音)が正確であれば、的確なレーザー光線や電波を用いることで、DNAの遺伝子情報を実質的に変えられるということを突き止めました。

なぜアファメーション〔自分自身への肯定的な宣言〕や催眠術などが人間に強力な影響を与えることができるかは、これで科学的にも説明がつきます。DNAが言語や言葉や思考に反応するのはまったく正常なことであり、自然なことなのです。

ですから、ただ振動(可聴周波数)と言語を用いるだけで、私たちのDNAは影響を受け、変調、治癒、そして、それ以上のことも起こり得るのです。もちろん振動は正確なものでなければなりません。

人が進化すればするほど、DNAとの意図的なコミュニケーションを築くことは容易になります。そういうわけで、これらの奇跡のどれかが起こるには、人間の個人意識を高めることが重要なのです。

とはいえ、上に述べたことは、ただ純粋に適切な音を出しさえすれば、生命の根本的構成要素、つまりDNAを変えることができる、ということを立証しています。

なるほど、ヴェーダが「思考のとおりに、あなたはなる」と謳い、“マントラ”という言葉の文字どおりの意味が“それを繰り返すことにより、困難や束縛を克服できるもの”であるのも、不思議なことではありません。

ルッドラムは80歳の老人の免疫力を高める

2016年10月、ヴェーダの讃歌の重要性と効能に関する議論を聴いた後、バーレーンのあるラジオサイのリスナーはこう書き送ってきました。

「2014年、私の80歳になる母はルッドラムを学び始めました。母はラジオサイのヴェーダ個別指導コーナー〔ヴェーダ練習クラス〕をとても熱心に聴いて、ルッドラムを身につけようと努めました。おそらく全章は覚えられないだろうと母は考えていました。しかし、母は純然たる意志の力と決意で毎日ルッドラムを唱え、一年以内に全章を暗唱してしまったのです。

面白いことに、その期間、母の健康状態が変わったことに気が付きました。理由はわかりません。家族全員がある伝染病にかかったことがあったのですが、一人80代の母だけがその病気を逃れたのです!

2016年7月、プラシャーンティ ニラヤムで開催された青年のリーダーシッププログラムに参加して、2週間ぎっしり詰まった過密スケジュールの後、私はへとへとに疲れて帰国しました。母は私と共にバーレーンに帰っていなかったので、私は実践を続けるため自宅でルッドラムを唱えました。この実践を始めて一日で、私は完全にエネルギーが吹き込まれるのを感じました。

しかし、その2週間の間、母はまだインドにいて、様々な理由からルッドラムを唱えるのをやめていました。数日内に、母は呼吸器困難を伴う病気になりました。母がバーレーンに戻ってきた時、2日間休ませてから、私は母にルッドラムの詠唱を再開するように言いました。詠唱を始めたその日、母の顔は輝きを取り戻し、花のように生き生きとして見えました。ルッドラムはほとんど劇的といえるほど強力に作用したのです。

ルッドラムがそれほど健康に強い影響を及ぼしていたとは、全く考えてもみませんでした。近頃では、どれほど疲れていても、ルッドラムを唱えるとエネルギーが回復します。」

ルッドラムとサイのお陰でHIVが癒される

マディヤ プラデーシュ州、インドール出身のバガヴァンの年長の帰依者であるアルン・マンデール氏は、2007年1月に10日間にわたって、マニプルのサイの帰依者たちにヴェーダのマントラを教える機会がありました。

「その10日間のある日…」とアルン氏は言いました。「一人の人がやってきて、ヴェーダの詠唱をすればどんな病気でも癒されるのですかと尋ねてきました。 “もしその人が規則正しく、信仰を持っているのなら、スワミがすべての面倒を見てくださるでしょう。ご心配は要りません。” と私は彼に言いました。

後になって、その人がHIV(ヒト免疫不全ウィルス、エイズ)の患者であったことがわかりました。6か月後、私はその地域の信者の一人に電話して、その患者について尋ねました。患者は病院に収容されていましたが、そのときは正常な状態に戻りつつあるとのことでした。やがて、その患者は退院し、病院の検査の結果、彼は今やあの恐ろしいウィルスから免れたのです!

これは、ルッドラムを熱心に6カ月間唱えた後に起こったことです。最も励みになることは、癒された後、彼が子供を持つ決意をしたことです。その夫婦は長い間、子宝に恵まれるよう望んでいました。今、5歳か6歳になる彼の息子が、完全に健康であることを私はとても嬉しく思います。」

もう一つ例を挙げましょう、とアルン・マンデール氏は言いました。 「これと同様に、私は非常に大勢の生徒たちに毎日メーダー スークタム(サラスワティ―女神のヴェーダ)を唱えるように言い、生徒たち全員が学業において向上し続けています。このような例は数えきれないほどあります。」

アヴァターと共にマントラの実験を生きる

サイ大学の卒業生、ランガナータ・ラージュ氏は、スワミにガーヤトリーマントラのもっと簡単な解説を教えてほしいと熱心に祈りました。夢の中でバガヴァンはおっしゃいました。

「簡単な意味は、――ああ、神様! どうか私にダルシャン〔神の姿を見ること〕、スパルシャン〔神に触れること〕、サムバーシャン〔神と会話すること〕、あるいはそれに相当するものをお授けください。主よ、どうかその機会を与え、私の知性を照らしてください。――というものです。」

この「秘伝」をバガヴァンから受け取った後、ラージュ氏はそれを試してみましたが、ほとんど毎回、それはよく効きました。スワミの大学を卒業後も、プッタパルティに来た時はいつでも、ラージュ氏はサイ クルワント ホールに座り、このマントラ〔ガーヤトリーマントラ〕を唱え始めます。すると、たいていスワミがすぐにラージュ氏に気づき、会話が始まったものでした。

現在シュリ サティヤ サイ中央信託のオフィスで働いているハリ・シャンカル氏は、ある日、サイ クルワントホールに座り、このマントラ〔ガーヤトリーマントラ〕を108回唱え終えたらバガヴァンが何らかの方法で祝福してくださいますように、と希望と祈りを胸にこのマントラを唱えはじめました。

ちょうど108回唱え終わった時、スワミがインタビュールームから正面ポーチへ出ておいでになり、シャンカル氏のほうを見ておっしゃいました。「やれやれ、君、君の名前は何だね?」

過去を信じて、素晴らしい未来を築く

もし現代の医者や科学者たちを信頼する半分でも、古の聖仙や預言者たちを心の底から信頼するなら、私たちはすぐに周りの世界のDNAを変えることができるかもしれません。

否定的なものが支配する場所で、ただ、気分を変える効果を持つ神聖な振動を吹き込むだけで、対立や戦争なしに、私たちはその場所を建設的な環境に変えることができるのです。

この宇宙で最もパワフルな音はオーム〔原初の音〕であり、この宇宙で最もパワフルな感情は純粋で無条件の愛です。すべてのマントラはオームで始まりますが、オームそのものが強力なマントラなのです。

もし、私たちが、悟りを開いた先祖たちによって詳細に説かれた道に入り、自分の内にある力を活用しようと懸命に努力しさえすれば、私たちはあらゆる悲しみから解放され、人生のあらゆる挑戦に対処する素晴らしい力に助けられることでしょう。


原典:http://media.radiosai.org/journals/vol_15/01SEP17/Mantras-and-Modern-Science-part-2.htm